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米国農務省は、1月11日午後、カリフォルニア州のサンディエゴ動物園サファリパークのニシローランドゴリラ3頭が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。大型類人猿の感染が確認されたのはこれが初めてだ。
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サンディエゴ動物園サファリパークの事務局長リサ・ピーターソン氏によれば、ゴリラたちは8頭の群れで暮らしており、感染した3頭は回復する見込みという。
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ピーターソン氏によれば、2020年4月に感染が確認された米ブロンクス動物園のライオンやトラと同様、3頭のゴリラは無症状の職員から感染したと推測される。
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ゴリラはトラ、ライオン、ミンク、ユキヒョウ、イヌ、ネコに続き、新型コロナウイルスへの自然感染が確認された7番目の動物だ。オランダとデンマークではミンクから人への感染が確認されているが、残りの種から人に感染するという証拠はない。
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東京都は、「都立病院」と、都の政策連携団体の公社が設置する「公社病院」のあわせて14の病院で今より600床増やして1700床とする方針を決めています。さらに、関係者によりますと、14の病院のうち、渋谷区の広尾病院と、大田区の荏原病院、それに板橋区の豊島病院で、新型コロナの患者を重点的に受け入れて実質的に専門病院とする方針です。現在、それぞれの病院に入院している一般の患者は近隣の民間医療機関に転院してもらう必要があり、調整を行っているということです。
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専門家は、新型コロナの病床拡大について東京都医師会の猪口正孝副会長は「新型コロナの患者を受け入れるということは、病院の中に、もう1つ病院を作るのと同じこと。さらにスタッフの配置や機材の整備などもあり、病床を増やすことは簡単ではない」と指摘しています。
そのうえで「医療の効率化をはかることが必要で、例えば病院をまるごと専門病院にする。そうすれば患者が動く動線は1つで済むし、患者を診るスペースも増える。さらに入院調整も楽になるので、効果は大きい。東京都がいくつかそうした病院を作るということなので、大きな期待を寄せている。
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米Googleは1月12日、日本国内における新型コロナウイルスの新規陽性者数が今後1カ月間で計23万4000人とする新たな予測を公開した。日別では2月6日に新規陽性者数が初の1万人超えになると予測している。
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Googleは、AIを活用した新型コロナウイルス感染予測サービス「COVID-19感染予測(日本版)」で、1月10日から2月6日までの28日間の新規陽性者数が23万4024人、死亡者数が4118人と予測。
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ワクチンの場合は副作用ではなくて副反応という言葉を使います。ワクチンによる健康被害の多くは、免疫反応そのものによって起きるものだからです。
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その副反応には大きく分けると3種類ある。一つ目は即時に、接種して数日以内に出てくるもの、二つ目は2週間から4週間たってから出てくるもの、三つ目はワクチン接種者が感染した場合に出てくるものです。
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一つ目の早い方の典型は「アナフィラキシー」という、全身に現れるひどいアレルギーです。ワクチンによるアナフィラキシーの頻度は、これまで開発されたワクチンでは100万回に数回というレベルでした。このリスクについてはもっと時間がたたないと分からないと思いますが、慎重な判断が必要です。
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二つ目の遅い方の副反応の典型は、脳炎などの神経障害、それから末梢神経がまひするギランバレー症候群などがあります。例えば脳炎については、おたふくかぜのワクチンだと、100万回の接種に対して10回ぐらい起こる可能性があるといわれている。今回のワクチンでは2回目接種の2カ月後ぐらいまでは調べていて、脳炎、神経障害などは見られていないようです。
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三つ目の副反応はADE(抗体依存性感染増強)と呼ばれ、ワクチン接種後に抗体ができ、その抗体のために新型コロナ感染症が悪化するというものです。今回の臨床試験では、ワクチン接種群で10人以内の感染者しか出ていないので、ADEのリスクを判断するのは困難です。この現象は感染の拡大、ワクチン接種の増加によって初めて見えてくるものなのです。ワクチンによる重篤な副反応の頻度は100万回に数回程度。現段階ではそのリスクについて早計に判断すべきではありません。
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新型コロナに関しては、免疫学者から見ると、さまざまなことがインフルエンザと似通っている。おそらく毎年ワクチンを接種せざるを得ないでしょう。そうすると、やはり心配は副反応になります。
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私たちが他人にうつす感染者と出会う確率は、1万人に1回あるかないかです。一方で、ワクチンを接種して重篤な副反応が現れる頻度は100万回に数回です。私たちは、ワクチンのメリットとリスクを天秤にかけて判断しないといけません。
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ワクチンは治療薬と違い、健康な人が予防効果のために接種するものです。高い安全性が求められます。ワクチン接種が始まるのは2021年半ば以降と見込まれますが、拙速に動くべきではありません。
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どのような症状があれば新型コロナを疑い病院を受診すれば良いのでしょうか。新型コロナの典型的な症状、経過、重症化のリスク、後遺症などについて現時点での知見をまとめました。
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新型コロナの潜伏期間(感染する機会から何らかの症状を発症するまでの期間)には1〜14日と幅がありますが、多くの人がおよそ4〜5日で発症します。特に「息切れ」「嗅覚障害・味覚障害」の症状は、風邪やインフルエンザでは稀な症状ですので、新型コロナの可能性を疑うきっかけになります。
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流行早期の中国での4万人の感染者のデータによると、発症してから1週間程度は風邪のような軽微な症状が続き、約8割の方はそのまま治癒しますが、約2割弱と考えられる重症化する人はそこから徐々に肺炎の症状が悪化して入院に至ります。2割のうち全体の約5%の症例で集中治療が必要になり、約2%の事例で致命的になりうるとされています。
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例えばアメリカの原子力空母セオドア・ルーズベルトで起こったクラスターでは、乗組員4,779人のうち、1271人が新型コロナに感染しました。この1271人のPCR検査陽性者のうち、45%は無症状、32%が検査時には無症状でのちに症状を発症、そして23%が検査時に症状がありました。
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アメリカのデータからは、肥満や糖尿病、高血圧などが3つ以上該当する人は、1つもない人と比べて入院リスクが5倍であったとのことです。
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また、女性よりも男性の方が重症化リスクが高いことも分かっています。
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加えて、国立感染症研究所 感染症疫学センターの解析によれば、これらの基礎疾患に加えて高尿酸血症も重症化リスクであると報告しています。
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日本人を主な対象とした国立国際医療研究センターによる調査でも、咳、痰、だるさ、呼吸苦、嗅覚障害、味覚障害といった症状が、発症60日後も10-20%、発症120日後も2-11%でみられました。
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また脱毛も全体の24%でみられ、発症から1ヶ月後から出現し、4ヶ月後くらいまでみられることが分かりました。
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グローバルに見れば、2016 年の英国の EU 離脱(Brexit)に関する国民投票の実施や米国のトランプ大統領の就任に象徴されるような排外主義が国際的に台頭する一方、冷戦の崩壊以降、世界経済の成長とグローバル化に伴って、国際的な人の移動は堅調に拡大してきたという現実がある。
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2001 年の 9.11 米国同時多発テロ以降、移民と安全保障という新しいイシューに注目が集まり、国境管理は厳格化する方向にあった(de Haas etal. 2020)。さらに、それと並行して、カナダや英国、そして日本におけるポイントシステム(point-based system, PBS)の導入など、先進各国はスキルによる移民の選別を強化していた。今般の新型コロナの世界的流行により、国際移動における公衆衛生という古くて新しい課題が再度浮上することで、今後の移民選別過程における公衆衛生面での強化が行われる可能性が高い。これは世界的に進む経済社会のデジタル化の中、その技術的支援も受け、急速に進むものと思われる。