• テレワークの推進とその効果 ~感染症抑制、生産性向上、ワークライフ・バランス~ 2020 年 5 月 28 日 財務総合政策研究所 総務研究部 総務課長 佐藤 栄一郎  財務総研スタッフ・レポート 2020 年 5 月 28 日(No.20-SR-04)
    • テレワーク(telework/telecommuting)は、オイルショックが問題となっていた 1970 年代にアメリカで 生まれたものであり、NASA のプロジェクトに参画していたエンジニアのジャック・ニールズ(Jack Nilles) による造語と言われている。アメリカでは、当初はテレワークの効用として渋滞問題の解決と省エネル ギーに焦点が当てられていたが、その後、共働き世帯への支援や温室効果ガスの削減、プログラマーの採 用手段、障がい者雇用といった観点からも注目されるようになった(Allen et al., 2015)。
    • また、テレワー クは、このような点に加え、仕事満足度の増加、離職率の低下、ストレスや欠勤の減少、生産性の向上、 オフィス維持費や通勤手当をはじめとする事業コストの削減、ワークライフ・バランスの実現といった 点からも様々な効果が期待されるようになった (Gajendran and Harrison, 2007)。
    • そして今、新型コロナウイルスが問題となる中で、その感染拡大の抑制と一定程度の事業継続を図る観 点からも、世界中においてテレワークが強力に促進されている。
    • そこで、本稿では、テレワークがもたら す感染症対策としての効果に加え、生産性の向上とワークライフ・バランスの実現にも焦点をあて、海外 の研究を取り上げつつどのような効果が期待できるのかについて紹介することとしたい。
 
 
  • 新型コロナ禍が促す 公的セクターのデジタル革新 2020 年 5 月 20 日 No.2020-005 ㈱日本総合研究所
    • ​今回の新型コロナ危機で、従来の組織体制や業務プロセスのままでは、官民ともに 機能不全に陥りかねないことが浮き彫りになった。一方で、デジタル技術やこれを 熟知する専門家を有効に活用することで、非常事態下でも行政機能の維持や様々な 対処方法の考案・実装が可能であることもわかってきた。わが国も、今回の経験や 反省を踏まえ、デジタルガバメントの取り組み方法を抜本的に見直し、デジタル革新を着実に進めていかなければならない。
    • その際には、非常事態下におけるシビックテック、ガブテックとのオープンイノベ ーションの平時における継続、正確かつ適切な情報の収集・共有・公開に向けた① データ報告や情報収集プロセスの抜本的な見直し、②オープンデータのさらなる促 進、③非常事態下におけるプライバシー保護の在り方の検討、ならびに、マイナン バー制度の有効活用、について、政府がリーダーシップをもって推進していくこと が求められる。
  • 日本の緊急事態対処における非強制措置の是非を考える(前編) —非強制措置を採用する韓国とスウェーデンの例 2020/5/18 
    日本の緊急事態対処における非強制措置の是非を考える(後編)―日本の非強制措置の特徴・歴史・課題 2020/5/25 笹川平和財団 特別研究員 中村 進    
    • 本論考は、日本以外に「非強制措置」を採用している国として、韓国とスウェーデンの2か国の例を挙げ、その対応の特徴と背景を分析する。それを踏まえたうえで、次稿(後編)において、両国の対応と比較しつつ、日本の緊急事態に際しての「非強制措置」を考察するものである。
    • (1)韓国 - 政府の迅速な対応と国民のプライバシーの放棄
      第一には、政府の素早い対応である。
      第二に、早期の検査体制の確立である。
      第三には、セキュリティーカメラの映像やクレジットカードの記録、車や携帯電話のナビのデータまでも使用した感染者の監視と「接触者追跡」と呼ばれるプロセスである。
    • (2)スウェーデン - 「集団免疫戦略」に基づく非制限措置
      スウェーデンの戦略は、厳格な制限措置を取らずに一定多数の人が感染し免疫を持たせることで、免疫を持たない人にも感染が及ばなくなるという「集団免疫」を構築しようというものである。したがって、スウェーデン政府の対応は在宅勤務を推奨し、不必要な旅行やリスクの高い高齢者との社会的接触を避けることを提唱するにとどまっている。
      • 世論調査では、ストックホルム市民のほぼ半数が在宅で勤務していることが分かっており、以前から柔軟な在宅勤務を促進してきた企業風土のおかげで、ストックホルムの大手企業の在宅率が少なくとも90%以上との推計も出ている。また、数世代が同居する家庭が多い地中海諸国に対して、スウェーデンでは過半数が1人暮らしである。そのため、家族間の感染リスクを軽減できている。 
    • 日本の緊急事態法制の特徴
      第1には、それぞれの事態の性質によって緊急事態を分化させていることである。このような制度設計は、公権力が関与できる事態を明確にすることで濫用を防止し、国民の私権の保障を確実にしようとすることを意味している。第2に、緊急事態に関わる法整備は、基本的に、現実に事態が生起しなければ法整備はされていないことである。これは、予測や想定を理由にした政府の恣意的な立法によって私権が不当に制限されることを防止するという意味がある。第3には、一部の例外を除いて、個人の私権については強制力のない「要請」、「指示」に留まることである。
    • これらの日本の緊急事態に関わる法制度の特徴は、1925年に成立し、戦時下で濫用された「治安維持法」に代表される緊急事態下での政府による人権侵害への不信感が、現在も国民の間に根強く残っていることが背景にある。
    • (2)歴史的、制度的な背景
      戦前の反省から、中央政府の権限を縮小させ、地方自治体の権限を強めることによって個人の人権を保障しようとするものであった。
      予想・想定される緊急事態に応じるために「平素から準備するように規定を完備しておく」ことも、2003年の武力攻撃事態等対処法以前には成されず、現実に生起した事態の問題点にのみ対応するという態度が定着し、維持されてきた。
    • (3)日本の非強制措置への評価と今後の課題
      第一に、日本では、深刻な被害が想定されたとしても、実際に被害が起こるまでは、私権制限のハードルが高く法制化が容易にはなされない国会と政府の態度が続いていることである。
      第二に、中国政府が喧伝するような、私権を制限できない民主主義国は感染症に効果的に対応できない、という議論に対して、日本の例が一つの反例となる可能性である。
  • 政策を見る眼 No.93 < 2020. 5. 15> 新型コロナウイルス感染拡大防止と経済社会活動とのジレンマ 宮脇 淳 北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院教授 図書館総合研究所 - 図書館流通センター
    • ​構造的対立とは、問題解決に向けて互いに相容れない排他的な状況が共存することを意味する。すなわち、今回の新型コロナウイルス対策で言えば、縦割りの分断された政策視点からは共通の解決点が見出せない相互矛盾状況であり、感染拡大防止と経済社会活動とを二律背反的な位置づけで捉え、どちらか一方を選択することが困難な状況を意味する。
    • こうした構造的対立の克服に向けた選択肢としては、第 1 に「耐えられる対立の領域」にとどめること、第 2に「対立の操作」、そして、第 3 に「意思力の操作」へと進化させること、があげられる。
    • 第 1 の「耐えられる対立の領域」にとどめることとは、従来から繰り返し展開されてきた政策対処法であり、足元の利害関係者の損失を最小化し、現実的・妥協的な結論に到達することで、問題の深刻化を一時的
      に回避する方法である。
    • 第 2 の「対立の操作」とは、将来像として否定的な構図を提示し、解決策の模索に向けた行動を惹起す
      る方法である。。しかし、既存の枠組みの利害を根底では引きずり、その調整のためのさまざまなコストが依然として残り、政策も漸次的にしか進まないという課題を抱える。このため、時間を要する結果となり、自粛によるストレスなど社会的デメリットを堆積させ、社会的な不安定要素を高める要因ともなる。
    • 第 3 の「意思力の操作」とは、利害関係集団だけではなく国民全体で、感染抑制にとどまらず次の社会の
      構図を大胆に検討し、目の前の二律背反的な構造的対立を克服する方法である。
    • 「意思力の操作」を、政策的にも明確にしていくことが、地方自治体の次の基本構想やその下での総合計画、そして議会での議論に求められる重要な課題となる。そこでは、多くの利害関係を調整するのにとどまらず、多くの既存の利害関係を克服し、新たな枠組みを提示していく視点が求められることとなる。
  • コロナ後の世界を創る意志 御立尚資(ボストン コンサルティング グループ シニア・アドバイザー)2020/05/14 政策シンクタンクPHP総研 
    本稿は『Voice』2020年6月号に掲載されたものです。
  • いま求められているのは二つの問いの峻別だ。コントロールし難い領域について「高い蓋然性で近未来に起こることは何か。そのなかで備えておくべきことは何か」と問うこと。そして、われわれ次第で姿が大きく変わりうる「可塑的であり、能動的に選択すべき未来とは何か。何を原則として選択を行なうのか」と問うことだ。これらを切り分けて、意志をもちそれぞれを考え抜かねばならない。
    近未来に蓋然性が高く起こりそうな「混乱」を予め考え抜くことで、はじめて先手の対応が可能となる備えができる。
  • いまこそ、この二つの問いを設定し、追求していくことがリーダーの責務であろう。そして、リーダーの方々がこの二つの問いを考え抜くには、「われわれは二つのパラダイムが並存する時代に生きている」という視座が大いに役に立つと考える。
  • 現在は二つのパラダイムが並存する時代だ。一つ目のパラダイムとは工業化をグローバルに広げることで富を生み、結果として人類全体の幸福の総量を高めていく「工業化社会」をつくる時代である。現在はこれが最終盤に入り、貧富の格差拡大、気候変動の影響の顕在化、地政学リスクの増大といったデメリットが目立つようになってきている。
    二つ目は「デジタル社会」の端緒たる時代だ。まだそのメリットが人類の幸福を高めるところまでは達していないが、データを活用し、人間の認知能力・身体能力を拡大する時代はすでに始まっている。
  • 時代の屈曲点に現れる混乱の種とCOVID-19という大変な試練が掛け合わされると、さらに混乱・困難が起こりやすい環境が生まれる。リーダー各位にとっては一定の蓋然性のあるシナリオも頭におき、仮にそうした事態に陥ったときに何をなすべきか、何が重要かを考え、可能な範囲で事前に手当てをしておかねばならない。
  • COVID-19へのこれまでの対応で明らかになってきたのは「ソブリンネーション(主権国家)」の復権だ。では、グローバリゼーションは逆行せざるを得ないのか。そう単純な話ではない。たとえば、COVID-19への対策においても、知のグローバル化がものすごい勢いで進行している。新冷戦のなかで、軍事安全保障に繋がる分野では、あらたな「鉄のカーテン」をつくろうという動きは強まるだろう。しかし人類にとっての共通善をもたらす知のグローバル化は、強い意志をもって継続せねばならないし、それは可能だ。集中と分散の両立だ。
  • 現場実態に即した効果的な政策を迅速に実行するには中央集権では限界がある。つまり、これからのガバナンスシステムは集中と分散を適切に使い分ける必要があるということだ。工業化の果てに生まれた超大都市モデルは、災害にもパンデミックにも弱いことが証明された。ならば、ドイツのような中型都市に分散した経済社会構造を目標とし、地方に然るべき権力を与えたうえで、国も責務を果たしていくかたちが一つのモデルになりうる。COVID-19を契機に、そうした議論こそ進めるべきではないか。
  • コロナ禍は、これから求められるリーダー像も浮き彫りにした。断言できるのは、科学的な知見を一定程度もっていなければリーダーは務まらないということだ。科学が日々進歩しているなか、専門家である必要はないものの、専門家の意見をきちんと理解し活用できる理系的センスは必須だ。
  • 科学的知見があるからこそ、現段階で科学の力が及んだところと及んでいないところについても専門家の意見をきちんと理解できる。科学的知見とは情報峻別力でもある。
  • デジタル化と掛け算になり、生命科学や物質科学をはじめ、科学が短期間に長足の進歩を遂げる時代に入った。一方、それを活かし受け入れる社会は、工業化時代の旧パラダイムに最適化されているゆえ、さまざまな軋轢が起こり、リーダーはそれをマネージせねばならない。パンデミック対応に留まらず、リーダーの科学的識見、リベラルアーツ的な識見が強く求められる時代に入っているということだ。
  • 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 のパンデミックが もたらす新たな安全保障世界観 笹川平和財団海洋政策研究所特別研究員 秋元 一峰 笹川平和財団海洋政策研究所 2020年5月7日
    • グローバリゼーションと疫病の大流行には相互作用がある。グローバル化のもと、疫病は国境の壁を越えて拡散する。
      • 黒死病がヨーロッパを中心に各地で流行し始めたのは 1347 年頃からである。当時のユーラシアは、モンゴル帝国が支配する“ユーラシアグローバリズム”の真っただ中にあった。
      • スペイン風邪は戦争のグローバル化がもたらしたパンデミックであった。
      • 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 のパンデミックも、グローバル化と中国依存のサプライチェーンがもたらした産物であることは確かだ。
    • 黒死病もスペイン風邪も、それまでの社会を律してきた理念と国際構造に大きな変化をもたらした。
      • 黒死病は、ヨーロッパにおける農業と文化に革命的な変化を与え、それが権力構造を一変させた。農奴に依存していた荘園制が消滅し、それによって封建制度が崩壊した。教会の権威が失墜して宗教改革が起こり、ルネサンスが一気に進展した。中世ヨーロッパの既存のレジームは大きく変化した。
      • スペイン風邪は終戦後の世界の再構築に大きな影響を与えた。主権国家の境界は強固なものとなり、政治における強いリーダーシップが希求された。ポピュリズム的な政党が支持を得て、ナチス主義を台頭させた。トーマス・W・ウイルソン米大統領の唱える国際連盟の理念をしり目に、世界は勢力ブロック化の道を進んだ。
      • 今後、アメリカと中国は国際社会全体を巻き込んで外交、経済、安全保障などあらゆる場面で対立を鮮明にしていくであろう。今後、対中国外交を巡って欧州連合に亀裂が入ることも予期すべきであろう。
    • 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 終息後の世界において経済活動を再活性化させたいのであれば、グローバル化を閉ざしてはならないことであろう。その中において必要なことは、グローバル化を編成し直す発想である。まずは、現下の中国に過度に依存するサプライチェーンは見直されるべきである。重要なことは自由民主的な統治を広め、権威主義的な動きを封じ込めることである。
    • グローバル化の再編成のためのバックボーンとして、自由民主主義に基づき国際法を遵守する法治国家が協調して、国際安全保障態勢を確立することの必要性を再確認しなければならない。
    • 地球温暖化とパンデミックには相互作用がある。
      • 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 のパンデミック終息後のグローバル化の再構築においては、「パンデミック安全保障」(PandemicSecurity)と「気候安全保障」(Climate Security)を考慮に入れるべきであろう。「気候安全保障」、「パンデミック安全保障」と経済発展を両立させるための知恵が求められる。国際連合が採択した「持続可能な開発目標」(SDGs)を達成するためにも、その知恵が必要である。
  • 第一に、国際関係においては、「世界の連帯」が生まれると考えられる。
    • 第一次世界大戦後に国際連盟がつくられ国際協調の機運が生まれたように、第二次世界大戦で国際連合ができて地球規模の問題に共通して対応する制度が生まれたように、今回のコロナ危機でも新たな国際協調の仕組みや機運が生まれるだろう。
  • 第二に、政治では「政府の強大化」が起こる。
    • 今回のような危機においては、政府の大きな役割が不可欠であると考えている。しかし、危機が終わった後には、このような私権制限や巨額の財政支出は直ちにやめなくてはならない。
  • 第三に、経済においては、「フリーランスなど独立請負人によるギグエコノミー(gig economy 独立請負人が担う経済のこと)が台頭すること」が考えられる。
    • 歴史的に見てパンデミックは、中世に起きたペストの蔓延が労働者数減少をもたらし、労働者の立場を強めた結果として、近代の資本主義社会発生を促したように、感染症や戦争、恐慌などの苦境が経済構造の下の方の人々の課題を浮き彫りにして、その力を強める方向に働くことが多い。今回のコロナ危機においても、フリーランスをはじめ独立請負人の立場は強まるであろう。
  • 第四に、都市は「大都市集中密集の回避」へ向かうだろう。
    • 今回のコロナウイルス感染で分かったのは、大都市の脆弱性である。武漢から発した感染は主として世界の大都市を中心に爆発した。
      • 国立情報学研究所等の調査では、「自宅から職場までの距離が2.5キロ以上の人を全員テレワークで在宅とすれば、逆に2.5キロ以内の人が全員出勤しても、人の移動は8割減る」ことがわかった(4月14日、NHK報道から)。このように対人接触は、大都市の長距離通勤が引き起こしている側面が強い。一方、小さい村や町では、2.5キロ以上離れた職場に公共交通機関を使って通っている人は少ない。この点が都市部以外での感染拡大防止に繋がっているのだ。
    • 今後はテレワークを全面的に認め、東京ではなく、地元や自分の住みたい場所に住める時代になる。そのことが、感染症対策になり、生活水準を高め、地方の発展に繋がる。よってポストコロナの時代は、大都市集中密集を避けた「田園都市の時代」になると考えられる。
  • 第五に、人々の志向(価値観)は「簡素・静謐(せいひつ)・利他など精神的価値と芸術の重視」へと向かうだろう。
    • 歴史を見れば、芸術は人々の精神に好影響を与え、社会を進展させてきた。今回、演劇やコンサート、美術館、映画館などが休業に追い込まれた。芸術の重要性を再認識した人も多いことだろう。劇作家の平田オリザ氏が言う通り「芸術を失うことは社会的な損失」なのである。
 
  • コロナ支援で置き去りの在留外国人、彼らを見捨てる日本でいいのか DOL特別レポート 2020.5.7 5:30
    • 感染拡大防止協力金のほかにも国や自治体が、コロナウイルスによって影響を受ける事業者や個人に向けてさまざまな支援策を打ち出しているが、いずれも外国人に対するアナウンスはない。
    • 外国人の労働力が日本社会を支えるようになって久しい。だが、彼らを守る仕組みが実はいくつかあることを行政はまったく告知しておらず、この非常時に彼らを置き去りにしている。
    • 「日本は社会保障や制度を整えないまま、留学生や労働者を受け入れてきました。そのひずみが、コロナで明らかになったと思います」(NPO法人「POSSE」の、外国人労働サポートセンターを担当する岩橋さん)
    • 労働力不足を補うために国の方針で外国人を増やした以上、厳しい状況に置かれている在留外国人たちに、もう少し目を向けてもいいのではないだろうか。

 

  • 〔コロナ後の日本〕感染症頻発の裏に環境破壊、終息まで1年以上=山本・長崎大教授 2020年5月4日 / 07:07 / 9時間前更新 Reuters

    • 新型コロナが終息するには人口の7割が免疫を獲得する必要があり、最低でも1年以上かかると予測。コロナ後の世界は成長一辺倒の市場主義を転換し、持続可能な社会を築く必要がある。

    • 近年、エボラ出血熱や新型コロナなど、その頻度が高まっている。その理由として、「人間による環境破壊で生態系が混乱を起こしている影響だ」と指摘。「開発や地球温暖化によって野生動物とヒトの暮らす空間が近づき、ウイルスがヒトに伝播しやすくなった」と述べた。

      • 今回の新型コロナがこれまでのウイルスと異なるのは、その感染スピードだ。端的に言えばグローバル化の影響。物流も含めたヒトの移動が爆発的に増加し、感染を大きくした。世界的に都市化が進んで人口が特定地域に密集し、飛行機の利便性が高まったことで都市間の移動が増えた。 

    • ​集団免疫の獲得には、自宅待機などで人と人の接触を減らし、感染スピードを遅くするやり方が望ましい。医療崩壊を防ぐことができ、ワクチン開発の時間を稼ぐことができる。感染スピードが遅ければ、毒性の強いウイルスの行き場がなくなり淘汰される。

    • 市場主義に基づいた経済開発を進めて熱帯雨林を破壊、その結果としての地球温暖化などが、ウイルスを人に呼び込む原因になった。自然を使い尽くす開発からの転換、持続可能な開発目標(SDGs)を考えて発展をする必要がある。

  • COVID-19 の犠牲者数を最小化する 出口戦略 医療と経済の両立をはかるライフスタイルデザインの 提案 仙石 慎太郎 東京大学未来ビジョン研究センター 客員准教授 IFI Working Paper No.2 May 2020 2020/05/02

    • ​最適な出口戦略構築に向けて考慮すべき事項

      • 「場」のリスクの層別化:感染リスクは、通勤電車や接待を伴う飲食店等、それぞれ の「場」の特性に依存する。

      • 「個人」のリスクの層別化:重症者や死亡者の発生率は、年齢、基礎疾患の有無や既 往症といった患者のプロファイルに依存する。

      • 感染症による死亡者数増の許容レベルの特定:医療と経済の両立を図るためのベンチ マークを適切に設定し、その経過観察に基づいて対策を立案し実施する体系が求めら れる。

      • 感染症による死亡者数増の現実的なリスクの特定:本リスクの大きさによっては、社 会的隔離政策を過度に継続する社会・経済的リスクがむしろ警戒されるべきである。

    • アクションの提言

      •  基本方針の定量化:医療キャパシティの超過を防ぐ具体的な指標の策定と周知

      • 「場」のリスクの層別定量化:広範な住民を対象とした精度・信頼性の高い抗体検査、 及び行動履歴とのマッチングを中心とした結果分析の早急な実施

      • 一律の「自粛の要請」ではなく、エビデンスに基づく「バルブ(緊縮/緩和の対象)の 開閉」

      • 「個人」のリスクの層別定量化と行動指針への反映

      • 一律の自粛要請から局所的なロックダウンへの転換

      • 政治主導での医療キャパシティの強化・加速

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